2019年03月01日

小鳥が少ない今シーズンの冬

環境省が野鳥調査のため全国で1000のサイトを設定し、5年ごとに繁殖調査、越冬調査を実施しています。2018年度調査依頼が来て、6月の繁殖期と越冬期の野鳥調査をしました。

2019-2-3虻田板谷川・オオバン (3) - コピー

2019.2.3オオバン 虻田板谷川

z1 2019-2-3虻田板谷川・オナガガモ・ヨシガモ - コピー

2019.2.3オナガガモ 虻田板谷川z2 2019-2-3虻田板谷川・ホシハジロ (2) - コピー

2019.2.3ホシハジロ 虻田板谷川

越冬期調査は12月中旬から2月中旬までに調査コースを往復2回実施しなければなりません。今年度は1月10日と2月12日に実施しました。2月上旬は記録的な寒気で、なかなか2回目の調査ができないでいましたが、寒気が去った後やっと調査ができました。

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2019.2.3オオワシ 豊浦貫気別川

2019-2-3貫気別川・オオワシ・オジロワシ (2) - コピー

2枚 2019.2.3オジロワシ 貫気別川

2019-2-3貫気別川・オジロワシ (6) - コピー

有珠善光寺からあぷた道の駅までのコースですが2回とも小鳥は20羽に満たない数でした。2019-2-16記念館・エゾリス (3)

2019.2.16エゾリス 開拓記念館

レンジャク、マヒワなど全く確認できませんでした。エサとなるナナカマドの実もほとんど木に残っておらず、小鳥たちにとっても厳しい状況となった今シーズンでした。小鳥だけでなく観察できるカモ類も全体に半減しているような感じです。地球全体の環境変化が生物に影響を与えているのではないかと危惧されます。長流川ではサケの遡上が激減し、まだサケの遡上が多かった貫気別川にオオワシ、オジロワシの一部が移動し20羽ほどが何とか冬を乗り切ろうとしていました。それでも2月23日には5羽のオジロワシが残るだけでした。冬の間、長流川の河口の木が120mほど皆伐され、気門別川河口では堆積した砂の除去作業か行われ、カモたちの越冬環境が大きく変わってしまいました。

2019-2-24幌別川探鳥会ミコアイサ (2) - コピーb

2019.2.24ミコアイサ 胆振幌別川

それぞれの河口の自然環境をどう保全していくかその基本的施策が欠如しているため、生物の多様性を保全することが不可能になっています。何のために野鳥調査をしているのかその目的を環境省は忘れているのではないかと思います。

posted by 管理人 at 11:27| 日記

2019年01月31日

鳥たちにとって厳しい越冬    篠原盛雄

2019-1-5長流川・オジロワシ - コピー

オジロワシ2019.1.5長流川

1月上旬には長流川のサケの死骸が全くなくなり、オジロワシの数は激減しました。1月下旬にはまだ少しエサのある貫気別川へ移動したようです。1月26日貫気別川にはオオワシ5羽、オジロワシ2羽以上河口付近の木にとまっていました。

2019-1-26貫気別川・オオワシ - コピー

オジロワシ2019.1.26貫気別川

2019-1-26貫気別川・キタキツネ

キタキツネ2019.1.26貫気別川

線路下にはキタキツネの死骸があり、たくさんのカラスが騒いでいました。事故死なのか猛禽類に襲われたのかは確認できませんでしたが、厳しい生き物たちの状況が見て取れました。

長流川でも1月5日長流川新橋の上から50m下流の中州で2羽のオジロワシが何かを食べていました。逆光で何かよくわかりませんでした。

2019-1-5長流川・ハヤブサ (3) - コピー

ふと見ると橋の近くの枯れ枝にハヤブサがじっとそちらのほうを見ていました。近づいて橋の上からハヤブサを撮っているとしばらくして飛んでいきました。オジロワシも食べているエサをもって飛び立ちました。とっさに写真を撮って拡大するとカルガモのようでした。自宅に帰ってPCで拡大してみると間違いなくカルガモでした。オジロワシがカルガモを捕えることは難しいので、おそらく近くでじっと見ていたハヤブサがとらえたカルガモを横取りしたものと思われます。

その時点でオジロワシが餌とするサケの死骸はありませんでした。かなり飢えた状態で越冬しているものと思われます。その様子を目の当たりに見たのか普段いるカモたちは北糖の池のほうへ避難していました。

1月26日、貫気別川のサケの死骸はほとんどなくなっていました。ワシたちは飢えに耐えながらじっと春の到来を待っているようでした。

2019-1-27室蘭港探鳥会コクガン - コピー

コクガン2019.1.27室蘭道の駅PG芝生

1月27日に室蘭港の探鳥会を実施しました。いつもであれば道の駅見たらの付近にコクガンがのりを食べているのですが、今年は全く姿が見えませんでした。ところが道の駅のパークゴルフ場の芝の上に数羽のコクガンがいて、一心不乱に芝を食べていました。今年はまだ海水温が高いせいか海藻の付きが悪く、越冬のコクガンも食料に窮しているようです。人の世界も様々な困難を抱えていますが、地球環境の微妙な変化で生き物たちの厳しい状況が続いています。地球温暖化が原因であるとすれば責任は重大です。

2019-1-26貫気別川・オオワシ - コピー2019-1-26貫気別川・オオワシ (11) - コピー

2枚オオワシ2019.1.26貫気別川

posted by 管理人 at 10:45| 日記

2018年12月31日

伝え残して残しておくもの         篠原 盛雄

8年前奈良の興福寺で阿修羅像に出会って、私の中で日本の仏像をもう一度見直すことが始まりました。小さい頃より美術に関心があり、中学より美術部に入り高校、大学でも油絵を描いてきました。機会あるごとに様々な美術展、美術館を巡ってきました。作者の表現する精神性に心打たれる経験が多々ありました。仏像は高校の修学旅行で奈良京都で訳も分からず見ただけでしたが、自分が生徒を引率して何度か奈良京都で仏像に出会う中で、仏像の持つ精神性に心打たれることがありました。写真では知っていた興福寺の阿修羅像の実物を国宝館で見たとき、その精神性に打たれしばらく動くことができませんでした。

墨で描いた目ははるかかなたを見通す目でした。生き方を苦しく、厳しく追及する真摯な姿は私自身の生き方を指し示しているようでした。そんな体験からその後機会があるたびに国宝とよばれる仏像を鑑賞しに出かけてきました。

2018-10-21東博

東博 2018.10.21

昨年東京上野国立博物館で運慶展が開かれました。これも写真では知っていた無著・世親像に初めて出会って、その迫力に圧倒されました。西洋美術の様々なものを見てきましたが、これを超えるようなものはありませんでした。何度も火災にあった興福寺でなぜ仏像たちが残されているのか、これまでの人々の願いと労苦が心を駆け巡ります。これまでの人々の願いが託された仏像は何百年も守り続けられてきました。大切に思う人々のリレーによってさらに未来に引き渡されていきます。

2018-10-23東博 (6)

東博 2018.10.23

森ネットで未来へ残していく地域自然も仏像と同じ価値をもつものです。

何が大切なものであるのか、何を伝え残していくのか多くの人に伝えていくことが私たちの役割と思います。

12月29日連日の寒波で気温は−4度、北西の風10m。長流川は厳しい寒さにさらされていました。少しの晴れ間をねらってオジロワシの写真を撮るため、館山の火山灰の崖の下で現れるのをじっと待っていました。風に乗って頭上30mを通過していきます。

2018-12-29伊達温泉裏崖・オジロワシ (4) - コピー

オジロワシ伊達温泉裏崖2018.12.29

2018-12-29伊達温泉裏崖・オジロワシ (8) - コピー

同上写真 オジロワシ

今年はオジロワシ40羽以上、オオワシ20羽以上が来ていました。

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同上写真 オジロワシ

オオハクチョウが350羽も自然越冬し、さまざまなガンカモの多数越冬するところは特別なところです。その越冬を支える伊達の自然こそ伝え残しておくものです。

伊達でのこれまでの野鳥の観察記録種数は275種となりました。

鳥の飛ぶ当たり前の風景は実は特別な風景だったのです。

知を力に・・・多くの人に知ってもらう森ネットの事業を今年も頑張っていこうと思います。

posted by 管理人 at 12:56| 日記

2018年12月04日

越冬の鳥がやってきた

長流川では10月中旬からオオハクチョウが飛来し始め12月2日には350羽までその数を増やしています。朝7時半ころから8時半ころまでの間に餌場の畑へと飛び立っていき、午後3時ころからねぐらの河口に戻ってくる生活をしています。長流川は西胆振で最大のオオハクチョウの越冬地です。ねぐらとなる長流川河口、周辺の餌場の存在が越冬を可能にしています。オオハクチョウが飛び交う風景が伊達では当たり前ですが、特別な風景であることをもっと多くの人に知っていただきたいと思います。翼開長2メートルを超えるオオハクチョウが夕方河口に舞い戻ってくる風景は迫力満点です。

2018-11-30長流川オオハクチョウ (8)

2018.11.30長流川

2018-11-30長流川オオハクチョウ (3)2018-11-30長流川オオハクチョウ (10)

今年は初雪が遅く、12月上旬になっても気温が高く積雪がない日が続いています。

越冬のオジロワシ、オオワシの飛来も遅れていますが、12月1日にオオワシ7羽、オジロワシ13羽確認しました。しかし今年もサケの遡上が少なくワシの越冬の条件が厳しくなっています。また気温が高いためサケの死骸の分解が早く、サケの越冬食料として保存される数が非常に少なくなっています。ワシの越冬が懸念されます。

2018-11-12長流川・オジロワシ

↑オジロワシ2018.11.12長流川

2018-11-30長流川・オジロワシa

オジロワシ2018.11.30長流川

2018-12-1長流川オオワシ

オオワシ2018.12.1長流川

 

伊達はそのほかさまざまなカモ類、小鳥が越冬し、それをねらう猛禽類も飛来します。

地元の小鳥の数がいまいち少ない感じですが、冬こそ鳥の観察に適した季節です。

2018-11-30長流川・ダイサギ

ダイサギ2018.11.30長流川

2018-11-12長流川・キタキツネ

キタキツネ2018.11.12長流川

 

鳥の観察等、ガイドスクール希望の方は篠原までお申し込みください(参加費1回 会員800円)

posted by 管理人 at 12:31| 日記

2018年11月01日

ヒヨドリの渡りとマスイチ浜

10月28日(日)野鳥の会のマスイチヒヨドリの渡りを見る会のため、朝5時起きして朝食を済ませ、5時40分には家を出ました。まだ薄暗く車のライトをつけて出発しました。

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天候が不安定で、伊達はまだ小雨が降っていました。室蘭に近づくにつれて、空が明るくなり、室蘭市マスイチ浜につくと現地は晴れ渡っていました。室蘭岳に雲がまだかかり出てきた朝日に虹がかかりました。ここ数年この時期実施しているヒヨドリの渡りを見る会は空振りに終わっていましたので、今年もあまり期待してはいませんでした。日の出から始める探鳥会は小鳥の渡りを見るのを兼ねています。シジュウカラ、カワラヒワ、ホオジロなどの小群が対岸に向かって飛び出していきます。

 

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まだ月が見えている空をハヤブサが飛び交っています。あたりがすっかり明るくなると、やがてヒヨドリが集まる声がしてきます。8時も過ぎるころ、ヒヨドリは数を増し、通称ハヤブサ岩とよばれている(いつもハヤブサが止まっている)断崖に1000羽ほどへばりつき、ハヤブサの動きを確かめながら断崖の下へと移動していきます。

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ハヤブサの攻撃を恐れ何度も躊躇しながら、あっという間に海面すれすれに降り、対岸へ向かって全力で飛翔していきます。空には時々ハヤブサが旋回していますので、ヒヨドリにとっては海に飛び出すのも命がけです。この日は4羽ものハヤブサが現れました。おまけにハイタカ2羽が集まってくるヒヨドリを追いかけまわして、観察している我々の目の前を横切っていきます。小鳥たちも猛禽の攻撃を警戒しながら、すきを見て全力で対岸を目指します。早朝、非常に緊迫した空気がマスイチを包んでいました。

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対岸へ渡る気象条件もありますので、いつでもわたる機会があるわけではありません。28日早朝はその条件が整った日だったのでしょう。対岸への最短距離の位置にあるマスイチ浜は渡りの攻防劇が繰り返されていました。生きることの厳しさ、命が躍動する輝きを見せてくれました。ただ生きているのではなく、生きることの真剣さをあらためて教えられました。

ハイタカ

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ノスリ

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室蘭マスイチ浜は渡りの中継地として鳥たちが集結してきます。たくさんの鳥たちが集まるところは非常に限られています。室蘭市が誇りにしていい場所と思います。マスイチ浜で鳥を見ることは地球の命の躍動を見ることです。人間世界にとらわれることなく、地球をそのままとらえることが今の人間にとって大切な視点ではないかと思います。鳥を見ることは、単に趣味の鳥見ではなく、人のあり方、生き方を見直していく、気づきの時空ではないかと思います。何が大切で、何を人間は守っていかなければならないのか絶えず確認していく時間ではないのかと思います。久しぶりにドキドキするような鳥劇場を観戦しながらもっと多くの人に、生の自然を体験してもらいたいと思いました。

ハヤブサ

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posted by 管理人 at 10:16| 日記
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